新型コロナウイルスの「第5波」では、子どもの感染増が顕著となっている。特に10歳未満の増え方が大きく、福岡県では累計感染者が「第4波」の4倍超の3千人余りに達した。親が働く家庭の子どもを預かる学童保育(放課後児童クラブ)や保育園などの現場は、大きな影響を受けている。
「週明けに臨時休所してください」。9月上旬の土曜夜、福岡県内の学童保育の事務局長は、自治体の担当者から電話でそう告げられた。利用する児童のコロナ感染が判明したという。発症日などの詳しい情報は、この時点では知らされなかった。
翌日の日曜、主任支援員と出勤し、保護者への連絡や消毒などにあたった。「うちの子は濃厚接触者になるんでしょうか」「学校には行けるんでしょうか」。保護者から問い合わせを受けたが、「詳しいことはわからないんです」としか答えられなかった。
この学童保育で感染者が見つかったのは初めて。昨年初めからずっと緊張しながら対策を講じてきた。消毒や手洗い、マスク着用、パーティションの設置、黙食や密回避の徹底……。その時々の知見や状況に合わせ、できることは採り入れてきた。
結局、利用者や職員に濃厚接触者はいないと判明し、臨時休所は1日で済んだ。「ほっとした。でも、ここで感染が拡大していたら、これ以上どんな対策をすればいいのか」。主任支援員の今後の不安は尽きない。
小学校でも学級閉鎖が相次ぎ、学童保育で児童らが「あのクラス、コロナが出たらしい」という話をするようになったという。子どもの活動を制限することで心身の発達に影響があることも心配だという。主任支援員は「対策を徹底する一方、誰にでも感染する可能性があるということを教える必要もある。バランスが難しい」と話す。
「大事なのは周囲の大人の感染対策」
福岡県の10歳未満の感染者…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル